20200420 永井ミキジ|ジャムーティ

アーバンというスナックのママと飲んだときのこと
「あんた花粉症でしょ? いいのが手に入ったのよ、これ」
ママは小袋に入った茶色い粉を見せてきた。

「なにこれ? あやしい薬?」ぼくは袋をジッと見た。

「ただの泥なのよ、なんで効いてるのかわかんないけど止まるのよね、鼻が」
ママはそう話を続けた。

「ほんとに? お茶かなにか?」ぼくは袋をジッと見た。

「はい、これ3回分あるから。効いたらあとは自分で買ってね。今のところ渡した人は全員止まってるからね、鼻が」

半信半疑で小袋を受け取りすぐポケットにしまった。
その夜、就寝前にふと茶色い粉のことを思い出した。
脱いだズボンのポケットから袋を取り出し、粉を湯飲みに入れお湯でとかした。

ドロッとした液体を恐る恐るゴクッと一口、
ザラザラとした舌触りで確かに泥の味がする。
決して美味しいものではなかったけど、
つまっていた鼻がスーっと通るのがわかった……。

翌日も寝る前に一口だけ飲んだが、3回分の泥を使い切ることなく
今のいままで鼻がつまっていないのだ。

ママに感想をLINEついでに茶色い粉の名前を聞いた、その粉の名はジャムーティ。
ジャムーティとは!? 成分が気になったが調べるとプラシーボ効果が切れそうだ。

ときとして知りすぎないことも大事である。
今はなにも調べず“ジャムーティが効いてる鼻”の状態で
そっとこの季節をやりすごそうと思っている。


( 永井ミキジ )
次の日記はむくりさんです




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永井ミキジ一覧|83




◼️書いた人

永井ミキジ Mikiji NAGAI
グラフィックデザイナー・アートディレクター http://www.mikiji.tv/