20200510 つめをぬるひと|推しの狂人演技

前回の日記を書いてから2週間くらいが経った。

フリーの良いところは、仕事をする時間を自由に決められることなのかもしれないけど、
私はなるべくカレンダー通りにしたくて、GWは休みにした。

私はつけ爪を作ったり、自分の爪に何かを描いたりすることはもちろん好きだし、
請求書まわりの作業もそこまで苦痛じゃないので、
ひっくるめて言うと、この仕事が全体的に好きで好きで仕方がない。
だから「この日は爪のことをしない」という日を決めないと際限なくやってしまう。

そんなわけで、このGWは結局何をしたかというと、プライムで「愛していると言ってくれ」を全部見た。
豊川悦司と常盤貴子が主役で、描写の端々に時代を感じる。
麻生祐未の演技がめちゃくちゃ怖くて綺麗。
あと猫が出てくる。
登場人物はどの役もドロドロに引っ掻き回したり振り回されたりする中で
猫だけは正義。猫は嘘をつかない。癒し。尊い。拝み。

あと「見えない目撃者」という映画を見た。
(若干ネタバレになるのでこれから見たい人はここまで。またね)
とある事件を追う視覚障害者の役が吉岡里帆で、
その事件の犯人役の、とある役者さんが良かった。

サスペンスや刑事もののドラマや映画で、真相を突きつけられた犯人が、
狂ったように叫んだり、大袈裟な狂人演技をするのが、私はあまり好きではない。
(捜査一課長と科捜研の女は許せる)(何を上から目線で私は)

サイコパスを演じるならば、
普通に「ちょっとご飯でも作るか」みたいな表情で犯罪を犯しているほうが、より怖く見える。
目をかっ開くこともなく、無表情なほうが、作品に没頭できる。
「見えない目撃者」の犯人役の方も、表情をあまり変えずに演技されていて良かった。

私が印象に残っている狂人演技は、映画「告白」に出てくる木村佳乃だ。
(またネタバレになるのでこれから見たい人はここまで。ちゃんと服きて寝るのよ!)

家に引きこもり狂っていく息子に対してどうすることもできず、
最終的に息子を殺そうとする母親を演じているのが木村佳乃。
単身赴任で遠くに住む家族への遺書を書き、途中で

「あ、」

と言う。
まるで「洗濯物取り込まなきゃ」とでも言うような表情と動きと足取り(ここが大事。表情・動き・足取り。)で、
包丁を持って2階の息子の部屋へ行く。
ここだけでもいいから見てほしい。私はあれを見て木村佳乃を好きになった。(別にそれまで嫌いだったわけじゃない)

狂人演技のことばかり書いて、これが果たして「日記」と呼べるのかどうか分からなくなってきたので
GW中に作ったコーヒーゼリーの写真を載せておきます。



(つめをぬるひと)
次の日記はesou ceramicsさんです

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◼️書いた人

つめをぬるひと @nail_hito
爪作家
Twitter https://twitter.com/nail_hito